ビッグピザ

先日スキーに行った時のお話。

2年前にスノボーに行って以来だった。


スノボーは大学生の時に初めてしてから、社会人になって3回ほど行った。

初心者かつたまにしかしないのでとても下手で、楽しむ次元に到達できずリフトも恐怖(何度も降車ミスでリフトを止める)、

滑るのも恐怖、膝や手首やお尻が痛い、怖い、一緒にいる人の足を引っ張りあまり楽しめなかった。


特に2年前は雪山で一人下山することになり(スノボーです)、その時に吹雪いて遭難しかけて(大袈裟)、あまり良い思い出がなかった。

ただウェアも買ったのもあり、若い頃にしかできない遊びであることはよく分かっているので

今回誘ってもらい行くことにした。


同行者は全員スノボではなくスキーをするとのことで、

高校生の頃修学旅行で初めてスキーをして以来、12年ぶりだった。

12年前のスキーでは、私は記憶上スノボーのように立てないレベルにはなく、初心者としては圧倒的にスキーの方が難易度が低いイメージだった。


12年ぶりの当日、出だしの靴の履き方から忘れるという表現を通り越して分からず教えてもらいながらだったが、

履きさえすれば傾斜の緩い初心者コースは一応滑れた(※後日行った初級者コースのゲレンデでは散々だったので多少の余裕をもって滑れるのは初心者コースのみだった)。

それでももっと楽しむレベルまでなれるかなということで、他の初心者メンバーも申し込むようだったのでスキーレッスンを申し込んだ。


日本人講師は空きなしで、外国人講師は空きあり、簡単な日常会話ならできますよと外国人の受付の人がとても流暢に説明してくれた。

初心者なのでニュアンスの説明等細かいサポートがある方が望ましいが、

そもそも私自身、英語でのコミュニケーションに壁を感じるような人材であってはならないという自覚、言語の壁なんてない、

我こそがグローバル人材だという意気込みであるべきだという義務感もあり、「英語は全く問題ないです(※外国人講師の方が日本人講師より値段が高いのは内心大問題)」と快諾し外国人講師のレッスンに申し込んだ。


レッスンの時間を迎えた。

私は初級者のレッスンを受講した。友人は初心者レッスンということで別れた。

初級者向け外国人講師レッスンの参加者は私一人だった。

簡単な日常会話ができるらしいイギリス人のお兄さん講師ができる日常会話は、リフトを運営しているおじさんへの挨拶”オツカレサマデス”の1ワードだった。


適当に話していたら言語コミュニケーション問題無し認定をして頂いて(実際難ありすぎ)、イギリスバリバリネイティブ英語でマンツーマンレッスンをして頂いた。

重心、体の向き、腕や腰、脚の使い方、目線、全部説明してくれた。申し訳ないが全ては理解できなかった。言語的要素が大きいと思っているが、加えて私自身が初心者なので日本語で教えてもらっても全ては体得し体現できない。


リフトに何度か乗った時、イギリス人のお兄さん講師に私から話を振って色々聞いた。

19歳のお兄さんは3歳からスキーを始めた。イギリスではスキーができないのでフランスで練習した。

昨年末日本に来る前はオーストリアで講師をした。その前にはドイツでドイツ語、英語両方でライセンスを取った。ドイツ語は英語に近くて比較的簡単。日本語は全く違うので難しすぎる。

今回はオーストリアでの講師集団何人かで一緒に日本に来た。元々知り合いではないがオーストリアで知り合った仲。だから自分一人ではない。ここでの契約は3月まで。4月からの生活は未定。


12月は東京観光もした。

外国人講師として来ても教えるのは日本人メイン。スキー、スノボーが好きな外国人観光客は講習を受けるレベルではない。

教えるのは特に修学旅行生向けが多い。

初心者は手厚いサポートが必要なので、自分が担当するメインは経験者だそう。

あなたみたいに英語ができる(ビジネスレベルでは全くできないが)人は少ないので、だいぶ困っていると話していた。

等々話した。


スキーが格段に上手くなったかというと、

軽く上手くなった、ただし講習のおかげなのか滑った経験値のお陰なのかは不明。という程度だった。

ただネイティブ講師とマンツーマンで英語レッスン(本当はスキーレッスン)をしようと思ったらオンライン英会話だといくらかかるっけ…等考えると、ある意味良いところ取りで良かったのかもしれないと思う。

ちなみに友人の初心者講習のグループも外国人講師だったが、スキーの八の字を”ビッグピザ”と呼び、リフトには乗らず基礎を詰めるビッグピザ講習を繰り返していたそう。


少し前に外資系の代理店経由で海外航空会社の格安航空券を購入したのだが、諸々トラブル続きであまり充実していないカスタマーサービスと戦うことになり、今も苦戦している。

代理店、航空会社両方、日本語では埒があかないので英語に切り替えてメールやチャットをしたり、

海外送金対応(トラブルで返金してもらうことになった)をしたり、海外に電話をかけたりしている。

そして海外取引であれば届出も必要?等、手続きや分からないことが多すぎる。

未だ解決していないこともあるがこちらが英語を使えることがなんというかアドバンテージなのか(この場合英語ができないともう泣き寝入りで進まなくなっている)と感じた。


最終的に時間をかけて調べやり取りしても解決できないことと言えば、相手のレスポンスが無い(遅い)こと。メール、電話に反応しない、相手にしてもらえない、

そうなったときに別ルートでのコミュニケーションを模索し、できなければ現実的対応としては諦めるしかなくなる。

レスポンスに関しては(大切だが)今回のお話の主旨ではなく、レスポンスさえあれば私は対応できるという立場になれた理由のお話がメイン。

それは英語。


主にリーディングとライティングメインではあるものの、日々英語を使う仕事をしているが、私自身大して流暢でなくバイタリティとパッションだけで押し通しているのが現状。でもそれができるのは当たり前ではなくて、

日常生活に落とし込んだ時、何というアドバンテージなのかと感じた。

普段自分の周りにレベルが高い人が集まっているので忘れていた。

今回紹介したトラブル対応はほんの一端で、人生を長く広い目で見た時かけがえのない財産なんだろうと思う。


なぜ英語ができるの?とスキー講師のお兄さんに聞かれたが、明確な理由はない、分からなかった。もちろん帰国子女ではない。

両親も親戚もそういう系ではない。

当然に大学進学することを価値観とする一族でもない。

悪意は全く無いが、血統的なものではないと思う。

私自身の意思と意思を尊重してくれた家族、周りの環境、そして支えてくれた全ての人が私を作ったからだとここでは結論付けたい。


英語は手段であって目的ではないことは明らかで、大事なのは目的なのだと最近よく思っているが、

少なくとも私は今回のビッグピザの経験を通し、この世界を広く見ることのできる選択肢のカードを若干でも多く持てているのだなと感じて感慨深かった。


ビッグピザ、ビッグワールド。


エリー

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