あなたは生き急いでいる

高校を卒業して、看護の専門学校に行く。同時にNMB48卒業、芸能界引退となった。

5年前に5期生としてNMB48に加入して、AKBグループのレジェンドとなった山本彩(さやか)と一文字違いで注目された。

お披露目となったNMB485周年の記念ライブは、大阪城ホールに観に行って、あどけないあーやんを見たことは覚えている。

贔屓ではないかと言われながら過去最速で正規メンバーに昇格、シングル選抜に選ばれ、側から見たら順風満帆なアイドル人生だった。

運営に推されるというのは、その分アンチがたくさんつくことを意味していて、とても悩んだと思う。

私が見る限り、推されているというよりも努力と実力が超越していて、推されているから人気だというレベルは超えていたと思う。

一方でNMB48、アイドルは実力だけが評価軸ではなくて、儚さ、弱さ、運、運営方針との合致、全てが大事で、あーやんはアイドルの評価軸の中で苦しむこともあっただろうし、山本彩と同じでアイドルらしいアイドルではなかったと思う。

立ち振る舞い、言動、全てが完璧だった。完璧主義の私からしたらほんのほんのほんの少しだが苦しみが分かる気がする。

あーやんはとても真面目で、NMB48を続けながら看護の道に進むことはしなかった。中途半端になることを嫌った。

卒業したその日にTwitterのアカウントを削除し、インスタの投稿も全て消した。

あーやんは生き急いでいると言うファンもいる。

確かに駆け抜け過ぎた5年間だったかもしれない。

でも、急いで何が悪いのかと私は思う。

今しかできないこと、沢山やりたいなと思うのは自然なことだと思う。

立ち止まって後悔するぐらいなら進みたいと思うのは、生き急ぎではないと思う。

あーやんの卒業公演でのスピーチを抜粋する。

「色んなことに全力で取り組んで向き合って、何か皆さんも得てください。そうすると、きっと人生が楽しくなるので、私もそうやって今までも、そしてこれからも、私らしく過ごしていきたいなって思っているので、これから皆さんが幸せになってくれることが一番嬉しいです。」

あーやんはもう芸能界を引退してメディアには出てこない。NMB48にとってはとても痛手だが、輝いた5年間を生かしてこれからも頑張ってほしいなと心から思うし、その決断、姿を見て私も頑張りたいなと思う。

絢香　「サクラ」

卒業はなぜ

どこまでも切ない

友の声　遠ざかりゆく

ヒラヒラと舞い散る桜に

手を伸ばすよ

エリー