生きるってお金がかかる

少し前に引越した。
引越しにおける様々なフェーズで感じたことを綴りたいと思う。

1.物件探し


どのような住居を選ぶかは引越しの一連の流れの中で価値基準が一番出る部分だと思う。
住む所にお金をかけたいか、着る物や食べる物や趣味に使いたいか等。

私は完全に住む所は後回しで良い派。着る物も食べる物も基本は安いものがいい。経験に一番お金を使いたい。

住む所の重要度が低かったのは、家にいる時間がとても少ないから。ただ今の時代は家にいる時間も家で働く時間も長くなっているし、いい大人なので(笑)、むしろ高い家を選んだ。

駅からの距離、会社からの距離、周辺施設、治安、家賃相場、築年数、部屋の広さ、タイミング等、色んな項目を用意してエクセルでプロット分析をして得点での絶対評価をし、ベストだと思う家を選択した。

2.引越し準備


整理整頓が苦手な私にとっては1番の苦行。当たり前だが普段の生活を続けながら荷物をまとめなければならない。

引越し準備とは、自分の人生にとって必要な物と不要な物を決めることだと思った。価値基準を明確にすることだと思った。自分がときめく物だけを持って生きていたい。要らないけれど持っていなければならない物(見たくもない手続き系の書類関係等)や買い換えるにはコストがかかるけれど捨てると生活できない物(古いオーブンレンジ等)、実は不必要だけれど必要だと思い込んでいる物などを判断し分類した。

断捨離のテレビをたまに見るが、不必要でも自分の心にとって必要なものは無理に捨てる必要は無いと聞いた。ギリギリまで悩んだ結果、幼稚園の時に作ったペン立ては残した。

選別しきれずタイムオーバーになった時にはとりあえず新居に運ぶしか無いが、今選択できないものを引っ越してからは絶対に分類できない。今分類しないということは次引っ越す時までは保留案件になるのは事実上確定。整理整頓が苦手で片付けができない自分の事は自分が一番分かっているから、引っ越す1ヶ月以上前から整理を始めた。朝は色々やる事があるので仕事終わりの夜に最低1時間は確保する。未来の自分の生活を導くのは私自身だと理解していたので毎日整理した。

あと私として一番大切だと思っているのは捨てる方法を知っておくこと。できれば物を買う時に。
本当は新しい食器棚やコタツ、本棚が欲しかったのだが、あなただと思う商品が今ここに存在しなかったのと初期費用が数十万円したのと(当たり前)私としてはとても高い家に住むことになったので節約は今から始まっていると思って持ち続けることにした。

その中でも手放したい大物がいくつかあった。
いざ捨てたいと思っても、お金持ちの都市以外は粗大ゴミやら大物のゴミを捨てるのはとても大変。決められた日に決められた形でゴミステーションに出せば持って行ってくれるなんてそんな甘い世界では無い。物を買うより捨てる方が何倍も大変。だから捨て方も調べて、本当に捨てたい時にすぐアクションを取れるようにした。

3.引越し業者


引越し業者を使うか使わないかの話から始まる。私は結局使ったのだが、洗濯機冷蔵庫など大物家電は会社の物を使っていたので引越し先には持って行かなかったので、引越し業者を使わないという選択肢も僅かにあった。ただ自力引越しにかける時間やお願いする人への負担を考えて割と早い段階で引越し業者に頼むことにした。業者は不動産が連携しているところにした。別の所を選択しても良かったがまた見積もり調整などの労力を要したく無かったので、不動産が連携している引越し業者が見積もりに来た時、ネットで調べた相場相当以下の値段であれば即決しますと言った。

ネットの値段はあくまでベース価格で実際の価格は状況によりけり…なのだが、そういう個別事情は無視して、ネット情報以下という即決させる情報と価格を私にくださいと言った。くれないのであれば自分でネット情報の確実性を確かめるために後日他社に相見積もり作業を依頼せざるを得ないと言って、結局ネット情報以下で契約させてもらった。

業者のお兄ちゃんの決裁範囲を超えた金額での契約になったので事務所に電話で伺っていた。お兄ちゃんありがとう。

4.引越し前夜


会社の刈り上げアパートである前の家には4年半住んでいて、引越し前夜にはその4年半を振り返った。暗闇の中東京から来たバスに降ろされて、あなたたちの家(借り上げアパート)はここだと言われてから4年半。

夜に急に荷物を受け取ってベッドの組み立ては自力でやってと業者に突き放されたが、泣きながら寝床がない(布団で寝ればいいが翌日も仕事の中今後1人でベッドは組み立てられない)と泣きついた。
六角レンチが無ければ組み立てられないと引越し業者が百均を探すがもう閉店の時間。
あった!六角レンチを荷物から掘り起こした。

4年半住んだのは実家に次ぎ二番目に長かった。新築でオートロック、IHで風呂広くて独立洗面台もあった。駅からは遠いけれど会社も近いし、スーパーやコンビニからは距離があって行きづらいから無駄遣い抑制で節約になるし(笑)良いところだったと思った。

その前の大学時代の後半に住んでいたアパートはオートロックもインターホンも独立洗面台もお湯炊き調整も無かったから、会社の借り上げアパートは豪邸だった。大学後半のアパートでは訪問販売の勧誘をされた時インターホンが無いので扉を開けてしまってその後撃退したのが懐かしい。

こんな裕福な生活(1Kだが)に私は慣れてはいけないなと毎日思っていた。
帰り際家のドアの前で同期と話しながら(裏が森なので)蚊に噛まれた記憶も懐かしい。
駐車場を与えられてるけれど停める車が無いから筋トレ場所に使っていたのも懐かしい。
ベランダで花を育てたのも懐かしい(今も育てている)。

一番好きだった場所には迷わずお風呂を選ぶ。
人生で一番広いお風呂。入浴剤を使ってYouTubeを見ながらブログを書きながらリラックスするのが幸せだった。明日引っ越すから今日でお風呂も最後だと噛み締めた。

5.引越し当日


見積もりに来ていた引越しのお兄ちゃん(現場担当)とは別のお兄さんとお兄ちゃん(お兄ちゃんは高校生ぐらいの若さ)の2人が来た。

お兄さんは力持ちで機敏な動きはもちろんだけど、その場で家具を見て瞬時に必要な梱包方法を決める判断能力、ロジックの組み立て能力が素晴らしかった。
もう1人のお兄ちゃんは弟レベルの若さだったが実にテキパキ動く。
お兄さんは腰パンすぎてズボンがずれてきてパンツが見えているのはご愛嬌だった。笑
お兄ちゃんは雑談力も抜群だった。バスケットボールを運んでもらった時にはバスケに関する話を沢山してくれた。

近所への引っ越しだろうが業者は使う価値があると思った。家財の安全のためのリスク回避、時間の節約(家具の組み立てまでやってくれる)、色んなものを購入してる。

5.引越し後の生活で思うこと


新しい家はお風呂が狭くなったがそれ以外は広くなった。会社は少しだけ遠くなったが駅もスーパーもコンビニも近くなった。前も新築に住んでいたがそれは会社が与えた住居だったので、自分で選択した綺麗な家(新築ではないが)に毎日帰るたびに、(私にとっては)高い家賃でも綺麗な家に住めるのは幸せだなと毎日思っている。自転車置き場に屋根が無いのだけはどうにかして欲しい。ベストな選択だったなと思う。

あと一番思うのは生きるってお金がかかるなということ。会社の借り上げのアパートでは何かとかかる手数料や家財保険の個人負担は無く、もちろん家賃も格安だった。学生時代は親に家賃2万円のアパート代を払ってもらっていたので自分で普通の賃貸契約をして払うのは今回初めてだった。

家賃と言われる額面はもちろんだがそれ以外にかかるお金も半端ない。毎日綺麗な家に帰るのが幸せと上で言ったが、それと同時にこの家に住み続けるには働き続けなければならないなと重大な責任を感じる。それまではあまり働いているという感覚は無くて自己鍛錬、社会進出のために働いているという感覚(働いている感覚持ってるやん) が強かったように思う。

安定した収入が無ければ賃貸にも住めないなと心から思う。引き落とされた家賃の額面を見て自分が決めた家なのに恐れ慄いた。安定した収入もいつなくなるか分からないし、とにかく生きるってお金がかかるなと心から思った。

エリー


エリーぶかぶかダイアリー

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