しょーもないことで泣くな

シンガポールでの出来事の番外編。
内容自体はその中の1つのお話。
シンガポールに来た大きな目的の1つ、
シンガポールにいる先輩に会うこと。

先輩は、いつもと変わらない様子で、よ!っと声をかけてくれた。
大した話はしていないんだけれど、先輩は、私よりもずっと先を行っていて、いつもながら、すごいなと思った。

帰りに聞いてみた。
この人みたいになりたいという人は会社にいるんですか??

いないと答えていた。
いなくていいんだ、と言っていた。

私も、会社にこの人みたいになりたい人はいないんです、でも、いないことは悪いことでは無いんですね、と返した。

先輩は、群を抜いて仕事ができて、この人みたいになれたらなとは思うが、なれるとも到底思えない、話すと長くなるので簡単に言うと、先輩は、特殊な仕事の仕方をしている。だから、尊敬はしているけれど、同じようにはなれないし、目指すものでもないと思っている。

先輩は入社以来、初めてできた直属の後輩の私を、半年という短い期間で、ほとんど出張続きの中、指導し、育ててくれた人。

私は、目指す姿の話の続きとして、会社の人では全く無いけど、ゆうこすみたいな生き方がしたいんですと話した。ゆうこすが何者なのかの説明もしていないし知らないはずだったが、
この人みたいになりたいというものは、会社内の人じゃない方がいいから、目指すものとしたら良いじゃん、と言ってくれた。

会社は逆ピラミッドで、上司が部下を支えなければならない、お前もそんな上司になってくれと言われた。
私が上司になる未来なんて今は見えないですよと話したが、きっとお前ならできるからと言ってくれた。

先輩は、生きたい生き方をしながら、会社を利用している。踏み台にしている。会社なんて、どうでも良いことばかりで、どうにもならないことにこだわってはいけない、ただひたすらに、自分の履歴書を分厚くすることに注力すればいい。
そうやっているうちに、どこでも生きていける、稼いでいけると分かったら、俺みたいにストレスも無くなって楽になると言っていた。

いつからその感覚が掴めたのですか?と聞いたが、それは教えてくれなかった。

30歳を過ぎたら分かる人には分かる感覚があると、別の人からも聞いたことがある。
30歳になるまでに自分がどんなものを積み重ねるかにもよるのだろう。

仕事のミスなんてどうにでもなるんだから、やりたいようにやれと言われた。

最後の別れの時には、私の近況なんて何も伝えてないけれど、誰かから聞いたのか、察したのか、それは分からないが、
「しょーもないことで泣くなよ」と一言言われた。
先輩に言われたその言葉に全てが込められてるような気がした。

私は先輩みたいに全てを跳ね除ける強さやしなやかさ、経験も実力も無く、私からしたらしょーもないことでは無いんだけれど、でも、しょーもないことに振り回されるのではなく、自分自身の人生をもっと分厚くできるように、進んで行きたいと、強く思った。

そんなことを考えていたら、泣くなよと言われてサヨナラをした後、速攻で泣いてしまった。

エリー

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