仕事のプロになる
中島聡さんの「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」を読んだ。
会社のめちゃめちゃデキる先輩が、オススメだと教えてくださったので読んだ。まず最初に、「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」を読むという私の仕事を終わらせるのが遅かったというジョークならぬ事実を詫びたい(涙)
デキる先輩含め、この人すごいなと思う人を重ねて本を読んだが、やはり彼らはこの本の中身に重なるところが多かった。
この本の1番良いところは、理想論や王道ルートを掲げた後、そうはいってもそう上手くいかない人や状況が違う人もいるよねといった我々の立場にも寄り添ってくれるところだと思った。
ノウハウ本かと思ったら、ノウハウ的なところはほんの少しで、具体例とかエピソード多く挟まれていて、途中から根性論というか、最後は話が人生にまたがる壮大なもので、幸せになろうぜという話に落ち着いて、熱くなるような話だった。
心に残ったことや実現したいことを挙げる。
1.全ての仕事はやり直しになるから、まずは全体像を描く
これは他のところでも聞いた、1st submissionをなる早で出す、そこから方向修正をする。納期が先だと、全体像を描くことを先延ばしにしたり、詳細から入って迷走したりしがち。重い仕事でも、まずは全体像を描きたい。事実、全体像が描けないから細かいところから入ってしまうというのもある。
納期自体も、どれだけかかるかの試算がされないまま提示されることが多く、即座に全体像を描くことは、納期に間に合うボリュームなのか、どれぐらいの時間がかかるのかを見極め、間に合わないならまず依頼者に事情を伝え、全体工程を調整してもらうという役割もある。
2.10時の待ち合わせは、10時前に到着する電車に乗ることではなく、10時に待ち合わせ場所に着くことが任務
これを見てごめんなさい。と思った人は多いのではないだろうか。オンラインの打ち合わせでも、10分前に準備を始めることもあるが、急にパソコンの電源が落ちて復旧作業をしているうちに時間が過ぎることもあった。後から準備している人よりもオンラインに入れる時間が遅くて、私は10分前には準備を始めていたと言い訳したいところだが、過程はどうでもよくて、待ち合わせに間に合っていないという事実が全てだ。
何があっても間に合う納期の前の納期を見据えることが大切。
3.その問題とこの問題は独立している
問題が発生しても、一つ一つを切り分けて個々に解決していけば、複雑に見えた問題も単純なことに気づく。
よく、各方面から早くしろと刺されて、追い詰められてあああああぁとなることがある。刺されて辛いときも、あれもこれもと思っても全部できないから、それぞれ時間を決めて一つづつやるしか無いと切り替えるようにしている。
仕事で落ち込んだ時や辛い時、よく夢に仕事のことが出てくるのだが、その問題とプライベートは区別したいなと思いながらまだ上手くできない。
4.言葉で説明するよりも先に形を描く
海外の人とかは特にそうだが、こちらが文章で説明しても伝わらないことが多い。具体例とか可視化する図を書くことが大切だなと思った。
5.10日で終わらせるタスクは、2日で8割方終わらせる。終わらなかったら納期の延長を申し出る
考えてから手を動かすのではなく、手を動かしながら考える。
ラストスパート思考では、最後の最後にそのタスクの難易度が分かる。
手をつけないと、割と深く入らないとタスクの難易度やぶつかる困難、壁が分からないことは多い。時には他の人に何かを依頼しなければならなくなることもある。自分だけの問題ではなくなる。
私がここがポイントだなと思ったのは、2日のロケットスタートをしたところで、3日では完成させない、提出しないということ。
早くできれば評価も高くなるかもしれないが、また次の仕事が出てきて、その納期はさらに短くなる。ずっと20倍の力で仕事をしていたら疲弊してしまうということ。
6.あなたの仕事はメールを早く返すことではなく仕事を終わらせること
2日間の間は、メールも返信しない。電話にも出ない。マルチタスクもしない。集中する。
これは著者がソフトウェアの開発系の人だからできるのかなとも思ったが、本当はこれがいいと思う。
10日で終わる仕事でも、その間に並行してマルチタスク、飛び込みタスクをしていると、10日では終わらないし、2日で納期を見積もったところで、予測外の他の仕事の見積もりまでは流石に完璧にはできない。
そんな我々現実的に無理だよと思っている人民宛に、著者が提案したのは、1日をタスク毎に複数に区切ること、大きなタスクを細分化することだった。この理論は何となく分かったが、いまいち細かいところが掴めなかった。
7.1日の最初の2時間半でその日の仕事の8割を終わらせる
朝方ゴリ押しの本だった。タスクが一個の場合は、午後は完全に流しの時間らしい。
その分午前は「20倍界王拳(かいおうけん)」で働くらしい。ドラゴンボールの世代じゃないからこれが何なのかよくわからないが、カメハメハー!だと思っている。この本を読んでから、界王拳!!と小さく呟きながら朝仕事をしてみた。笑
気持ちから入る。
8.朝方のメリットは、メールをチェックする必要が無い、話しかけてくる人がいない、外部要因の締め切りが設定できる
何となくわかる。外部要員の締め切りとは、朝ご飯を食べる時間とか、そういうものらしい。
9.物理的に仕事を減らす
これをやってる人を割と前に見たけど、すごく賢いし偉いと思った。すごく大変そうだったし猛反発を受けていたけど、それでも自分を支援してくれる人を巻き込んで闘って減らしてた。社会人ってキャパオーバーで頑張ってる人が報われないから、そういう能力も必要なんだと思った。
「会社のためになるならば、上司に逆らうことも必要」はその通りだと思う。会社の立場が上なだけで、同じ人間だし正しいことは正しいと私たちにも判断する義務や権利があるし、会社のために働くという立場に上も下も無い。
10.崖を飛び降りながら飛行機を組み立てろ
知識はやりながら覚えていく、英語を勉強するのではなく、英語を使って何かをする。
言語の壁はそんなに高くもないし厚くもない、ただ何かを伝えたいという情熱さえあれば、壁は乗り越えられる。
英語がネイティブレベルの人がいて、バーっと話されたら何を言ってるか分からないし、文章も長過ぎて複雑で何を言いたいのか分からないことがあった。
自分の英語力の無さのせいだと思っていたが、ある人に、何言ってるか分からないよ、もっとわかりやすく簡潔に説明しろと言えばいいと言われた。
逆に例え英語が下手だろうが、伝える気持ちがあれば、相手にも届くんだと思った。
もちろん訓練は必要だけれど、ここで言いたいのは出来ないからやらない、弱い立場になる必要は全くないということで、とにかく必要に迫られて前に進めということ。
11.集中しなければならない仕事はするな
この辺りから最後の精神論の部分。
一度しかない人生、思いっきり楽しめ。
人生に占める割合が大きい仕事をいかに楽しめるかが人生における重要な問題。
天職であれば集中力は必要としない。
仕事は、頼まれなくても自分から喜んで残業するほど楽しい仕事かどうかで選ぶべき。
集中力は好きだからこそ自然に出てくるもの。無理やり絞り出すものではない。
そうは言っても今の仕事をしばらく続けなければならない人へ。
今やっている仕事の中で、本当にやりたい仕事につながる共通点を見つけ出せ。
自分が幸せになれる行動をしないと、人は幸せになれない。
奮い立たせないと向かえない仕事はするなという理論、よく分かる。
でもしなければならないんだよという反論はもっと分かる。
12.やりたいことには思い切って飛び込む
プロトタイプを作ってあとは実行するだけの状態で乗り込む。
失敗することよりも自分に不誠実になることの方を恐れている。
とりあえずこの本を読見終わって3日間経ったが、その3日間、いつもより40分早く起きた。いつも家に帰ってから夜にしていたことを朝にした。出社時間は早めていない。1時間早く起きるのは勘弁だった。寝たいから。この本の内容を全て信じる必要は無いが、うまく自分に取り込めたらなと思う。
エリー
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