対話すること
フランスのINSEADというビジネススクールの准教授ジェニファー・ペトリリエリさん著
「デュアルキャリア・カップル
仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える」を読みました。
デュアルキャリア・カップルとは、二人とも自分の職業生活が人生に大切で、仕事を通じて成長したいと考えているカップルです。
ジェンダー平等、女性のリーダー育成と言っても現実として女性が不利で弱い立場に立たざるを得ない事が多いと私は思っています。
一番成長したいこの20代後半から30代にかけての時代、女性は一番人生にも悩み大きな負担がさかるように私は思います。
姉が最近子供を産み育てています。まず姉の妹である立場の視点ということはご了承頂きたいです。
母がサポートしても、旦那がサポートしても、結局は姉が子供を産み育てないといけないんだなと最近姉に会って思いました。
夜2時間も通しで寝られなくて、他の人が面倒を見るからといって姉が寝られるわけではありません。誰が悪いというわけではなく、人からのサポートは受けられても姉が子育てのメインで柱であるこの構造は動かしようのない事実だなと私は思いました。
デュアルキャリア・カップルは共働きですが、共働きメリットとは収入と女性のキャリアアップという2面で語られることが多く、女性が得するためだけのもののように捉えられているようにも思います。
この本はどうすれば愛情と仕事両方を手に入れられるのか、デュアルキャリアカップルが人生の三つの転換期において愛情と仕事の両方で成功するためにどうすれば良いかのヒントを記した本です。
複数のカップルの事例から導く人生の転換期と乗り越え方を紹介する本で、今後の人生でどういう考え方を持ち生きるべきかを考えたく読みました。
私は目次の前の部分でまず号泣しました。
読んでくだされば分かると思いますが全く泣く本ではありません。人から紹介されて読んだ本ですが、この本を紹介するような視点を持っている人がこの社会にいることに私は感動して泣きました。
みんながこの視点を持てたら世界は本当に変わると思います。
タイトルにもなっていますが、2人共が一番手の人生を歩むためには対話を重ねる、それに尽きます。明確な答えはなく、対話が必要。それがこの本が繰り返し述べていることです。
現実に幻滅するのではなく、諦めるのではなく、誰とでも対話する姿勢、気持ちを持ち続け今後の人生を歩みたいと思いました。
この対話の内容やカップルの関係性について以下に本の内容を備忘として記します。
【第一の転換期】(20-30代ぐらい)
一方にとっての最大のチャンスが2人にとっては厄介な問題となります。
単独の決断はできず相手への配慮を必要とします。
対話すべきなのは家事分担などの現実的問題ではなく、そのような難題の根底にある2人の心理と社会からの圧力の影響についてです。
実際的な問題ではなく、価値観、限界、不安を話すことです。
3分だけでも仕事のこと、他のことについて、電子機器の連絡、全て無くして相手の今日あった話に注意を傾ける、それだけで相手は満たされる、親密感を持ちます。思いやりが大切です。
長期的視点で考えることです。
自分が決断を下したのではなく、下した決断によって自分が形作られます。
理想を低く持ち、全てをこなそうとし過ぎないこと。2人の関係の外の物事に集中し過ぎず対話の時間を大切にすること。
互いのキャリアや義務、人生を独立したものとして考えお互いの譲歩、妥協で交換取引をするのではなく、互いに共同して取り組み依存する関係を作ること。
ジレンマに対する3モデルが紹介されています。
・一番手二番手モデル
どちらかのキャリアを一番手として優先させる
→途中で役割の交代は難しくなる
・一番手二番手交代モデル
→キャリアが読めないので予定通り交代はできない
・どちらも一番手モデル
→2人が対等な立場でいるために明確な限界を決めること。全てこなすことはできない。選択肢が少ない方がよりその決断に大きな満足度を得られる。
→一番満足度の高い選択という研究結果あり。
総論
→どれを選ぶかではなくキャリアの優先順位、どうすればうまくいくかについて慎重に話し合うことが最も重要
→2人とも一番手でいるためには、キャリアの優先順位についてオープンに話し、何をフェアとするかを定義し意見の不一致が起こる領域にも踏み込んで話さなければならない。入念なコミュニケーションの上に成り立つもの。
今後の5年についてカップルで話し合うこと
・キャリアにおける明確な目標が一つ以上あるか
・どれだけ意欲があるか
・子供に対し親としてどういう役割を引き受けたいか
・パートナーとの関係においてどの側面が一番大切か
・他に何が大切か
愛とキャリアにおいて2人が共に成功できる人生を得るために、経済的な判断基準に頼りすぎないこと、長期的な影響を考慮すること、実際的な問題に集中しすぎないこと、全てをこなそうとしないこと。
【第二の転換期】(40代ぐらい)
第二の転換期にとって大切なこと
2人が互いの安全地帯となり探求、成長へ羽ばたける拠り所となること
→2人の成長を助け、2人をしっかり結びつけ、2人で共に個性化した新しい人生の道を作り上げる方法を教えてくれる
【第三の転換期】
第三の転換期ではわ今の私たちはどんな人間なのかの問いの答えを一緒に探す。
愛と仕事で成功するために努力を惜しまないこと。
2人の関係に何を求めるのか、不安に思っていることは何かを話すこと。
エリー
0コメント